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アップル社のデジタル教科書市場進出を分析~The New York Times紙

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Apple Introduces Tools to (Someday) Supplant Print Textbooks

1月20日(金曜日)付けのThe New York Times紙ビジネス欄(Business)は、紙媒体の教科書業界にアップル社が挑戦するテクノロジーを発表した事を報じています。

この記者は、記事のタイトルにかぎ括弧付きで「何時の日になるか不明だが、、、」というニュアンスの単語(someday)を挟み込んでいます。新聞記事のタイトルに鍵括弧をつける事は余り行われていないのですが、敢えてこの記者は「いつになるか予想がつかないが」という主張を強調したかったようです。

以下は、そのような「いつ現実になるか分からないが、、、」という条件付きの見方をしている記者による記事の要点リストです。

1)アップル社は(近い将来)重たい教科書を何冊も学生が持たずに、Apple社製のiPadタブレットを一つだけ持つ事を願っているようだ。
2)19日(木曜日)の時点で、アップル社は教育分野で使える3つの応用ソフトの無料提供を発表した。
3)その一つであるiBook 2応用ソフトは、電子書籍(electronic bookstore)の新しいバージョンで、学生達が電子教科書をダウンロード出来る場となる。
4)二つ目のiBook Author応用ソフトは、教科書は勿論、普通の書籍をアップルのパソコンで(簡単に)作り出す(create)コンピューター・プログラム。
5)三つ目のiTunes Uプログラムは、教師陣にカリキュラム(履修過程・全教科課程)作り、講義材料(course materials)作りを可能にさせる事で、今迄受け身だった講義内容視聴サイトを積極的な講座作りサイトに衣替えさせる可能性を与えた。
6)iBook Author ソフトを使って作られたデジタル教科書なりデジタル参考書は、インターアクティブな性格を持てる上、ビデオや音声を取りりこめる。iBook Authorソフトには、アップル社が用意したテンプレートが各種用意されているので、出版社や出版者は自分のコンテンツに適したテンプレイトを選ぶ事で、出版が簡易化出来る。
7)紙媒体で多くの教科書を出版しているPearson社、McGraw-Hill社、Houghton Mifflin Harcourt社が参画した形で、高校生向けのデジタル教科書作りと販売をApple社が支援するが、販売価格は$15 (1,200円)かそれ以下に設定される予定。この御値段は紙の教科書と比較して可成りお安くなっている。因に紙の教科書は$100 (7,700円)するものもある。
8)大手教科書会社が参画している主な理由は、デジタル教科書化で大もうけしようというものではなく、新しい教科書作りテクノロジーを学んでおきたいというもののようだ〜と、業界筋のForrester 調査会社のアナリストのSarah Rotman-Epps女史はみている。
9)2010年の時点で、米国の教科書市場は6,000億円と推定されており、デジタル教科書は僅か2.8%しか占めていない。
10)確かにデジタル教科書の将来性は興奮に値するものだが、直ぐにデジタル教科書が主流になるとは想像し難い。その大きな理由は、iPadタブレットの御値段が$500 (4万円)もする点だ。米国の高校以下の教育システムでは教科書は地方ごとの教育委員会が5〜6年を単位に出版会社から買い取る契約システムが常識になっている。iPadタブレットを購入する予算組みや、5〜6年毎の購入システムを1年毎に買い取るシステムにどう社会がスムーズに移行するかなど、検討課題が山積みしていると言える。以上の懸念を、大手出版会社Houghton Mifflin Harcourt社の筆頭専務Josef Blumenfeld氏も持っている(ので、すぐにiPad教科書の全盛期が来るとは想像しがたい)
11)Josef Blumenfeld氏は、アップル社に払う事になる30%のコミッション料は大きな問題にはならないだろうと予測している。その理由は、デジタル版になる事で、印刷代や運搬代が不要になるためで、それをApple社への支払いに回せば、今迄通りの利益を確保出来るだろう〜という論理だ。しかし、出版会社は、アップル社に30%の販売コミッション料(a 30% commission)を支払う(新しい)システムに慣れる必要がある(ため、iPad教科書全盛期が直ぐに来るとは想像しがたい)

アップル社、教科書のデジタル化に本格的乗り込みを発表

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Apple looks to transform e-textbooks: Tech innovator introduces iBooks, iBook Author apps

1月20日(金曜日)付けの全国紙USA Today金銭面(Money Section B) は、アップル社が19日に発表したデジタル教科書分野へのビジネス展開について報じています。以下、箇条書きで主な点をリストアップしてみます。

1)アップル社はiBooksとiBooks Authorと称されるappsを発表。
2)デジタル教科書分野にアップル社が乗り出す事を発表。
3)iBooks 2と称されるappは、「読む」ための応用ソフト。ビデオやアニメをふんだんに盛り込み、interactive(読者が積極的に見たい物をみたり、質問出来たりする〜という意味)な性格をもった「教科書」を、iBooks 2の応用ソフトで読める事になる。Apple社が独自開発、無料で消費者たち(潜在読者たち)に提供する。(Apple社のデジタル商品の売り上げに貢献する事が最終目標である事は確かと言える)
4)iBook Authorと称される応用ソフト(software application)も同時発表。これまた無料。この応用ソフトを使うと、デジタル出版に関して慣れていない学校教師や大学教授が、自分が使いたいデジタル教科書をカスタム.メードで作れてしまう。custom templatesと称される「サンプル・フォーム集」をアップル社が用意、何種類もの「鋳型=テンプレート」から自分の教科書コンテンツに最適と思われる「鋳型」を決め、自分の使いたい写真、イラスト、アニメ、テキスト文字を流し込むだけで、カスタム・メードのデジタル教科書(digital textbooks)が出来上がってしまう。
5)従来からあった iTunes U programと称される機能を拡大・充実。従来は、このiTunes Uに大学などの教育組織が講義の録音やビデオ映像を立ち上げ、学生達が視聴出来るサービス(audio and video lectures)を提供していた。今回の改善で、大学教授が宿題(assignments)、教科書、ミニ・テスト(quizzes)、講義概要(syllabi)をも盛り込む事を可能にした。その結果、事実上、iTunes Uで「授業コース」を作り上げる事が可能になった。今迄のようにパソコンだけでなく、 iPadタブレット、iPhone携帯端末、iPod視聴器でも「受講」出来るようになっている。
6)iTune UはUはUniversityを象徴、扱われる講義は大学と大学院の授業内容に限定されていた。今回の改善で、門戸が幼稚園(kindergartenのkを象徴して米国ではKと称する)から高校3年生(12学年という意味から米国では12 と称する)までの授業や「授業コース」にも解放された。
7)アップル社としては、例えば、高校生向けの生物のデジタル教科書が細胞内の構造を3−D立体アニメを盛り込めるおうにした。難しい専門用語の辞書がとっさに利用出来たり、イラストの部分を指でなぞると、その部分の解説文が現れるなど、生徒の理解を促す機能が盛り込まれている。
8)新しい事実の発見などをフォローすべく、教科書の内容を最新のものに書き換えたり、生徒の勉強メモが試験前の勉強カードに変換されるなどの機能も盛り込まれている。
9)現時点で、デジタル教科書は、幼稚園から高校3年生までの教科書分野の僅か10%以下しか占めていない。各々の教科書出版会社やデジタル教科書作りの専門会社(Kno社、Inkling社など)が独自のプラットフーム(digital platforms)でバラバラにデジタル教科書作りを進めている(が、今回のアップル社の無料・新機能発表で、デジタル教科書つくりに弾みがつきそうだ)
10)アップル社の長期計画としては、幼稚園から大学まで総ての年齢層向けのデジタル教科書作りを支援するものだが、当座(initial emphasis)は、高校生向け教科書(high school textbooks)作りに精力を投じる予定。デジタル教科書一冊の販売価格は$14.99(1200円)かそれ以下に設定。
11)米国の教科書業界の90%を牛耳る教科書会社ご三家のMcGraw-Hill, Pearson, Houghton Mifflin Harcourt社は、アップル社のデジタル教科書ビジネスに参画する事を発表。

iPad 3の発売は2012年2月23日か?

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February arrival for iPad

12月9日(金曜日)付けの大衆紙New York Postは、iPadの新型が来年2月に登場するらしいという噂を伝えています。

iPadの新型は、現行のものがiPad 2と呼ばれている事から、通称iPad 3と呼ばれています。大方の見方としては来年3月か4月と推測されていますが、2月が亡き共同創立者の57歳の誕生日の月になる事から、アップル社がタイミングを合わせるのではないか〜という「噂」が出ているようです。

Citigroup社のアナリストRichard Gardner氏の調査書によれば、iPad 3型タブレット式パソコンは4G無線電話網、それも特にデータースピードが早い4G LTE網に対応し、スクリーンの画質も解像度が2倍になる事で現行よりも更に鮮明になる筈〜としています。(アップル社は企業機密がしっかりしている為、Gardner氏の「情報」はあくまでも「噂」の域を出ないと言えますが、同時にまったくの想像でないだろう事も伺えます。

別な「噂」では、iPad 3の販売は予定よりも遅れ、その前に小型スクリーンのタブレット式パソコンがApple社から発売されるとも推測されています。理由は、Amazon.com社の人気電子読書機Kindle Fireへの対抗馬を出す筈〜という理由です。

いずれにせよ、パソコンの主流は、cloud computingシステムの導入・浸透で、移動式ラップトップ型パソコンから、更に軽量で操作も簡易なタブレット式パソコンに流れ始めようとしている気配です。

米国最大手書店チェーンの電子読書機ビジネスの現状と価値

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B&N takes hit

12月4日(金曜日)付けの大衆紙New York Postは、米国最大手の書店チェーンのBarnes & Nobles社のデジタル分野の「成績」についてのReuters伝を転載しています。

8月〜10月の3ヶ月間の会計報告書を分析したもので、電子読書機Nookが170億円の売り上げを記録しており、これは(前年度の同時期と比べ〜の筈ですが、この記事では言及されていません)85%の上昇を見せていて「快調」です。しかし、ライバル電子読書機であるAmazon.com社のKindleに対抗するための「割引料金」やTVや新聞広告費がかさみ、5億円の赤字となっています。(この赤字がデジタル部門の赤字かB&N社全体の赤字なのか、この記事では内閣になっていません)2011年度の収益として、160億円程度が見込まれています。

他の書店チェーンが破産に追い込まれている状況を考慮すると、B&N社は電子読書機Nookビジネスを積極的に展開する事で、とりあえずはサバイバルを続けている〜と言えます。破産に追い込まれたとしても、書店がある不動産資産だけでなく、Nookデジタル分野の「将来性価値」を評価するメディア・グループが既に買収に関心を持っている事を表明しています。

紙媒体の書店の将来は、デジタル電子読書ビジネスにある事を再確認させてくれる記事と言えそうです。この記事では言及してませんが、事実として、Amazon.com社はデジタル書籍出版業に乗り出しており、online販売を開始しています。このような状況を考慮すれば、(現行の)紙媒体の書店そのものが物理的に存続するかどうかの議論は別にあるわけですが、、、

Facebookが来春に株式公開した暁に、27歳の創立者は2兆円資産家に?

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Site's IPO would go cha-ching:Zuckerberg stands to get richer if Facebook goes to the market

11月30日(水曜日)付けの大衆紙Daily Newsは、ソーシャル・ネットワーキング・サイトの王者Facebookが来春には株式公開(IPO)するであろうことを報じています。

最初に株式公開予定を報じたのはThe Wall Street Journal紙ですが、この大衆紙では創立者のMark Zukerberg氏(若干27歳)がIPOによって大金持ちになるだろう事に焦点を充てています。記事の結論としては、『Zukerberg氏は2兆円の資産家になるかも、、、』というものです。この金額はグーグル社の共同創立者のSergy Brin氏とLarry Page氏(個々が1.3兆円資産家)やAmazon.com社の創立者Jeff Bezos氏(1.5兆円の資産家)を越えるものです。

実際の所、Facebook社がどれだけの「価値」を有しているのか、まだまだ議論が残ります。最近、Facebook社に投資した投資グループはFacebookの「価値」を4兆円と推定した上で投資額を決めています。業界の噂では、Facebook社は自社の価値を7.7兆円と見なした上で、10%の株式を公開し、8,000億円程度を集めたいとしています。Zukenberg氏はFacebook社の株を25%保持している事から、7.7兆円x25%=20兆円という数字がはじき出されてようです。

この記者は、IT業界の動きを分析しているGartner社のアナリストRay Valdes氏の『他のIT起業家で成功した人物達同様に、Zukerberg氏はお金のためだけに動いている訳ではない。世界を変えたいと彼は願っている』というコメントで記事を締めくくっています。

大衆紙ですので、この記事はゴシップ的に個人資産の話題を派手に取り上げていますが、米国のIT業界で「暴れん坊」が健在である事を伺わせてくれます。