No.32980の記事

iBooksオンライン書店での(高校生向け)デジタル教科書の価格設定で、アップル社と教科書出版会社の間に微妙な不協和音

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Apple's New Math On Textbook Pricing

1月20日(金曜日)付けのThe Wall Street Journal紙は、アップル社が19日に発表したデジタル教科書の価格設定について背景情報を伝えています。

以下はその要点リストです。

1)McGraw-Hill社は今迄、公立高校(public high schools)向けの(紙の)教科書を5年間使用の契約期間で、一冊あたり$75で地域ごとの教育委員会に販売しているが、Apple社のデジタル書店iBooks店ではデジタル教科書を1冊1年使用で単価$15で販売すると決めている。
2)McGraw-Hill出版社の最高経営執行者(CEO)のTerry McGraw氏は、『数(volume)が出るので、1冊$15でも同じ売り上げ総額になるから問題ない』とコメントを出している。
3)今回発表になったApple社のデジタル教科書販売ビジネス・モデルは、高校生一人につき1年間使用という契約内容で、(地域教育委員会を飛ばして)直接高校生に販売するものだ。1年間過ぎても、買い取った高校生はデジタル教科書を自分のiPadにキープする事が出来るが、下級生や他の生徒に譲渡したり再販する事は出来ない仕掛けになっています。そのため、McGraw-Hill出版会社の読みとしては、毎年新たに高校生がデジタル教科書を買ってくれる筈なので、$15/year x 5 years = $75/5-yearで同じ$75が売り上げとして同社に入る筈〜と試算しています。
4)アップル社は、どれだけの販売コミッション手数料を取るか公表していませんが、まあ従来の30%を仮定したとしても、印刷代と運搬費(cost of print and distribution)がデジタル版では倹約(forgoing)出来るため、出版会社に入る収入が減るという事には至らないだろう〜と出版業界が想像しているだろうと、この記者は推測しています。
5)高校生向けデジタル教科書の定価について、アップル社側は『総ての我が社で扱うデジタル教科書は$14.99』と断言していますが、出版会社側は『$14.99はpilot pricingであって、必要に応じて価格変動は有り得る』というコメントを出しています。(故Steve Jobsが音楽出版業界と一曲99セントの一律定価を発表した時も、音楽業界は反発するコメントを出し続けた事を思い出して頂ければ、今後の価格設定論争はApple社と出版会社との力関係で決まるものと想像出来ますーブログ筆者コメント)
6)以上のデジタル教科書論争は、あくまで高校生向けのデジタル教科書に限ったもので、米国の大手教科書会社(複数)は大学生向けのデジタル教科書をアップル社以外のonline市場(other digital platforms)で販売しています。(そのうち、大学生向けのデジタル教科書がApple社のiBoosオンライン書店に並ぶのでしょうが、その際どのような販売ビジネス・モデルになるか、今後留意が必要です〜ブログ筆者コメント)